遅れて来たランナー、50歳からの挑戦

 冒頭から何か「NHKテレビのスペシャル番組」みたいなカッコ良過ぎるタイトルを付けてしまい、自分でも思わず笑ってしまったが、昨年の5月、私は満60歳の誕生日をもって36年余勤めた児童図書出版社を定年退職した。そしてその2日後から、声をかけていただいたある大学で講師として保育者養成の仕事に携わることになった。

 その10年前、つまり50歳のときにあることに挑戦した。それは、「フルマラソンを完走する」ということ。そう、42.195Kmを制限時間内に走るという、普通にはどう考えても無謀としか思えないことをやってみようというわけだ。
 それまでのスポーツ暦は、中・高でバドミントン部。あまり大して強くはなかった。並行して軟式テニスを少々。現在の奈良県知事の荒井氏(高校の2年先輩)とダブルスを組んで高1の時に奈良市の大会で、まぐれでベスト4に入ったぐらい。あとは社会人になってから軟式野球と山登りを始めたが、走ることには殆んど縁がなかった。

 それが何故、走る羽目になったのかというと、会社の後輩で年に1〜2度、フルマラソンを完走しているサッカー好きの青年がいて、彼から勧められ、結局断り切れずに「一度やってみようか」という軽い乗りで参加を決めた次第。
 とは言ってもレースの半年前から一応練習を始め、週に1〜2度,一回3km程度をゆっくりと走ってはみたものの制限の5時間内に完走できるのか不安で一杯。
 ラッキーだったのは、そんな折に地元の「奈良市民走ろう会」というクラブの方に出会い、入会を勧められるままに主体性もなく入って練習方法を教えてもらい、本レースまでにハーフマラソンのレースに2回参加できたこと。これが多少の自信にはなったのは事実。

 結局、初フルは、4時間4分でゴール。最後の5Kmはもう嫌になるほど苦しかったが、予想の4時間半よりも速く着いて自分でもビックリ。ゴールの瞬間思ったことは「俺みたいなものでもやればできたじゃないか!」ということ。
以来11年、念願だった昨年のホノルルマラソン完走(3時間59分)を含めてフルは20回、ハーフが50回ぐらい完走。途中リタイアは一度もなくて、元気に走り続けている。フルのベストは55歳のときに福知山マラソンでマークした3時間29分。

マラソン、特にフルは練習量が正直にタイムに現れる。我々クラスのいわゆる市民ランナーレベルでは、いくら頑張っても記録的にはある程度で頭打ち。記録よりも継続する大切さ、仲間と走る楽しさを自然と重要視するようになる。始めたのが遅かった分、病気さえしなければ恐らくあと10年ぐらいは走り続けられるのではと、密かに思っている。
 フルマラソン完走のコツ

1最初から無理はしない。
 ・走り始めの頃は、どうしても「長い距離を走らねば!」と思い勝ちになります。長続きするにはとにかく1Km7分〜8分(駆け足程度)で、ゆっくり走ること。1回15分〜20分(2〜3Km)で週1〜2回からスタートしてみましょう。
2.靴にお金をかける。
 ・山登りと同じで、靴は少々高くてもいいものを選びましょう。スポーツ店には必ず専門家がいるので相談して見て下さい。15.000円前後がお勧めです。
3.思い切ってランニングクラブに入会を!
・地元にはいろいろな同好のクラブがあります。ネットなどで調べて、自分に合いそうなクラブに入るのも長続きのコツのひとつです。

Profile

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モリ・ケン
1946年(昭和21年)生まれ
奈良県出身


36年余勤務した大阪の児童出版社を定年退職し、現在、関西国際大学人間学部教育福祉学科(こども学専攻)講師。保育者養成に携わる。

出版社在職中は主に保育専門雑誌の編集に携わり「保育とカリキュラム」誌の編集長を 20余年務める。
趣味の山歩きでは、日本百名山を目指すが、まだ40座を超えたところ。残り60弱を 70歳までには達成したいと思っている。
夏場は渓流釣り(アマゴ=ヤマメ)も。
50歳から始めたマラソンにはまってしまい、年2回程度のフルマラソンと、ハーフや 10Kmを7〜8レースこなしている。
現在、地元のランニングクラブ「奈良市民走ろう会」 の副会長・広報部長。
「走り」の魅力・奥深さを特に中年以上の人達に伝えたいと真剣に 考えている。12月10日のホノルルマラソンを完走(ぎりぎりサブ4)したところ。
健康奉仕(兼好法師)を目指す。

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